たんにお金というよりも、生きていくために知っておきたいこと、知らないと損すること騙されることについて、これ以上ないほどわかりやすく書かれています。
これが高校の教科書になったら、日本はずいぶん変わるでしょうね。
もくじ
ゆるふわな見た目の「ナニワ金融道」
保険というのは、言わば「不幸が起きること」に賭けたギャンブルみたいなもんや。自分が不幸に見舞われれば保険金が貰えるし、そうじゃなければ保険料はまるまるドブに捨てることになるわけやからな。
本書「本当の自由を手に入れるお金の大学」より本文引用
絵本みたいなゆるふわ☆な色とイラスト。しかし、内容は「ナニワ金融道」をほうふつとさせる、「これが世の中や!」なことがこれでもかこれでもかと。
私は「好きな本は何ですか?」と聞かれるといつも

「ナニワ金融道です」
と答えてきましたが、だいたいサーッと引かれてしまうので最近では「うーん、太宰治とか?」などと適当に答えています。
でも先日、ビジネスマン向け雑誌の愛読書特集を見たら、「ナニワ」を愛読書にあげているセレブや一流企業の経営者の人がけっこう多いんですよね。
あのマンガは確かに絵が(くせになるけど)グロいし、下ネタがえげつないなんてものじゃないです。
でも、「世の中って…ボヤボヤしてたらやられちゃうんだよ」ってことを何よりも教えてくれる本として、あれに勝るものはないなと思っています。もし子供ができたら読ませます。
人気サイトのお金リテラシーまとめ本
話がずれましたけど、この「本当の自由を手に入れるお金の大学」。
時間・経済的・精神的自由を得るために必要な知識を提供するサイト「リベラルアーツ大学」の内容がまとまった本です。

じゃあサイトを見ればタダじゃないか、という人もいるかもですが、サイトのコンテンツ数が多すぎて拾うのが大変。
まずは基本部分をまとめたこの本を読む方が効率が良く、理解もしやすいですよ。
読みはじめは、吹き出しの会話スタイルや関西弁が「ブログならともかく、本は読みにくいなあ」と思いましたが、内容のおもしろさで途中からそんなことは気にならなくなりました。
お金のことで避けては通れない法律や数字の話を、できるだけアレルギーを起こしたり眠くなったりしないために、字だけのページがないようにしているのかもしれません。
それに、ヘビーで残酷な現実の内容だったり、安易で愚かな考えにカツを入れるには関西弁のほうがなぜかアタリがやわらかいんですね。

節約・貯蓄・保険・税金・投資など、これ一冊でお金持ちになるために必要な知識の基本部分はしっかり学ぶことができ、損したりだまされないための理論武装ができます。
もちろんあくまでも「基本部分」なので、もっともっと学ぶことはあるし、何より実践しないと意味はありませんが、自分では気づけなかった「お金持ちになるためにいまやるべきこと」がわかります。
購入直後、さっそく役に立ちました(実話)
賃貸契約のページを読んでいて、いま現在進行形で大家さんと退去のことでトラブルになっている友人のことを思い出しました。
田舎に住んでる友人なんですが、不動産を通さずに地元のおじいさんに家を借りたら、出て行くときに畳も壁紙も全部換えろといわれて、困ってるらしい。
通常の使用による劣化なので友人がやる義務はないんですが、おじいさんはそういうこと知らなくて「払え」の一点張り。
本書に載っていた賃貸トラブル相談サイトのことなどを教えてあげたら、

ありがとう!知りたかったことが全部わかった!

明け渡しの立会いって義務じゃないんだね!よかった〜聞いておいて…
と、そりゃあもう感謝されました。私もうれしいです。
こういう人には向かない、かも
- 「イラスト多用」「マンガみたいな吹き出し」の本に抵抗がある
- いまの生活をなるべく変えたくない
- 投資の裏技を知りたい
こんな人向き
- 騙されたり、損をしないために知識武装したい
- 法律のことや数字を読むのが辛いけど、知識はつけたい
- 子供にお金リテラシーのつく本を読ませたい
- 堅実な投資を知りたい
- つみたてNISAでどのファンドを選べばいいか知りたい
「ここはちょっと…」と思ったところ
iDeCoについての言及がほとんどなかった
この本の意見を読みたかったなと思います。おそらくターゲットが20代・30代なので、60才まで下ろせないイデコはおすすめではないし、人生の早いタイミングで経済的に自由になろうという趣旨に合わないからだと推測。でも意見を聞きたかった。
巻末用語索引が欲しかった
いずれ保険を見直す時や税の申告をするときなどに、「あの本のどこかに、いいことが書いてあったな」と探すことがあると思うので。
安定感ある「お金の増やし方」
お金を増やす手段として転職・副業・投資などについて解説していますが、どれも安心して取り組めそうな安定感のある内容が多いです。
ギャンブル性の高いもの、詐欺の可能性があるものについてもしっかり教えてくれています。
「素人は〇〇が浅いものに手を出すな!」はしっかり心に刻みました。
自分、ずいぶん損してきたみたい
この本を読んだほとんどの人に「もっと早く知りたかったなあ」ってことが、一つは出てくるんじゃないでしょうか。

私は、いっぱいありました…(汗)
例えば、「外貨建て保険の実態」「払い済み保険は、実は
XX」「大手の引越し業者はXX」「自動車保険の人身傷害賠償はXX」などなど…。
↑これを見て「もしかしたら私も?」と思う人には、今後の人生で損をしないために、とくにおすすめの本です!